ようこそ『夜会系男子の館』へ。

 ここは、現実のようで現実ではない世界。よく、たどり着かれましたね。
 当館の主は、年若き孤高の没落貴族でございます。幼い頃は裕福な環境でお育ちになられましたが、ご両親が他界したことで一切の資産没収されてしまった哀れな身の上…。
ですが、当館だけはその難を逃れ主のものとなりました。以来、主は、世俗の争いごとを避け引きこもってしまいましたが、絶望の中、ひとつの希望を抱くようになったのでございます。それは、幼い頃に婚約していた貴族の娘との再会。互いに「姫」「王子様」と呼び合い、幼いながらも最良のパートナーであることを認識していた仲でございました。一家の没落により引き離されてしまったこの乙女と結ばれることを切望することで、主は生きる希望を再び手にしたのです。
「もう一度、姫に逢いたい…」
 とは申せ、成す術もなく夜な夜なため息を漏らすばかり。
そんなある月の美しい晩のこと。主の夢の中に不思議な老女が現れ「夜会を開きなさい」と進言されたのであります。そして、目覚めると枕元に美しい衣装が用意されており、晴れて宴を催す運びとあいなりました。
 主はあなた様のおこしを今か今かとお待ちしております。どうか、あなたこそが主が求める真の乙女でありますように──。




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